サハラ以南のアフリカは古来金の産出で知られ、マリ帝国(マリ)、アシャンティ帝国(ガーナ)、モノモタパ王国(ジンバブエ・グレートジンバブエ遺跡を建設)などの黒人王国は、しばしば黄金のイメージと結びあわされている。しかし奇妙なことに、アフリカの多彩な造形表現にもかかわらず、これだけの金の産出がありながらアシャンティや象牙海岸などの王・首長の儀礼道具・威信財に用いられているものを除けば、金はほとんど姿を見せていない。ガーナ沿岸部に、未だに王国の姿を形成している黄金王国がある。アシャンティ王国。

金の祭りで有名な部族、アシャンティ族により形成される王国で、1年に9回、約40日おきの日曜日に盛大な祭りが開かれている。この部族は世界第3位といわれる金鉱山、オブアシ鉱山を所有するために、独自の黄金文化を築き上げてきた。王の象徴となる黄金のスツール(椅子)、黄金の杖や髪飾り、腕輪や冠、金箔を顔に塗った王女・・・祭りでは黄金がふんだんに使われたあらゆる装飾品が登場する。「祖先があってこそ現在我々はここに存在する」という考えを大切にしており、祖先を敬うアシャンティ族。 2000年末に王が崩御し、新王が即位した。相続は世襲制ではなく、相談役たちによって決められるという。
