タンザニア西部、ブルンジとの国境に近いゴンベの森を中心に、野生チンパンジーの研究に40年以上もの歳月を捧げてきた女性霊長類学者がいる。 1960年にチンパンジーの研究を始めた時、彼女自身この研究はせいぜい3年程度だろうと思っていた。しかし彼女は一頭一頭に名前をつけて忍耐深く個性を観察した結果、菜食と考えられていたチンパンジーが肉を食べること、道具を製作すること、政治的な戦争を起こすこと、薬草を知っていることなどの様々な事実を発表して霊長類の研究に大きな改革をもたらした。

そして現在、彼女の活動はチンパンジー達の生態研究にとどまらず、飼育下のチンパンジーの待遇改善や植林などの環境整備にも及んでいる。霊長類学者のほとんどが、彼女に影響を受けたという。あまりにも有名になった彼女は諸活動や会議、講演などに追われてフィールドワークの時間が確保できなくなってきている。それでも彼女はチンパンジーと共にする生活を今なお続けている。何故、彼女は人生をチンパンジーに捧げたのか?彼女は「チンパンジーの孤児に会ってその絶望に満ちた目を見れば、たいていの人は見捨ててはおけないでしょう。」とコメントしている。
