アフリカの彫刻は儀式的なものとして生まれた。人々は自分たちを守り生き抜くために、彼らの生命を司る目に見えない力を描写しようとした。祖先の霊が入る魂の家として様々な彫刻が作られ、それらは不運を招く悪魔を追い払う力があると考えられていた。彫刻は未知のものと接触し、それをコントロールするための手段であったのだ。タンザニア南部に住むマコンデ族は、創造への力強い要求と優れた彫刻技術を持っていた。魂が現実に力となって現れると考えていた彼等は、見えない力を彫刻により具現化しようとした。そして美しい彫刻やグロテスクな彫刻、時には邪悪な彫刻をも作り出していった。アフリカを代表する彫刻ともいえるマコンデ彫刻はこうして始まり、 1950年代の半ばに何人かのマコンデアーティスト達がより洗練された現代的な作品を創りだし、モダン・マコンデアートが始まった。数百年も前に儀式用に作られたオリジナルのマコンデ彫刻は、頭髪やひげに本物の毛が使われており、ダルエスサラームの国立博物館で見ることができる。モダン・マコンデ彫刻は現地の森に多く生えていたムピンゴと呼ばれる黒檀の木のみを使っている。テーマは人間と悪魔に大別されており、人間は家族愛を意味するウジャマーを、もう一方は悪魔や妖怪であるシェターニを表現している。
