エチオピア南西部、オモ渓谷に住む部族。この部族は奇怪な「リッププレート」で有名である。結婚の6ヶ月ほど前になると、スルマ族の女性の下唇に切りこみが入れられ、泥で作られたプレートがはめられる。プレートはその後拡大され、結婚式でのプレートの大きさで、花婿が結婚の際、花嫁の家族へ贈る牛の数が決定される。しかし唇が切れてしまうと、今までの努力は無になってしまう。このプレートは男の前では外してはならず、女性間でのプライベートな時間のみ、外すことが許される。スルマ族は、美しいボディーペインティングの習慣を持っている。子供の頃から親の真似をして、ボディーペイントを覚える。

子供達の間で一番人気のある遊びは「電車ごっこ」のようなスネークダンス。牛の首に穴をあけ、流れた生き血を飲む。ブミ族などの敵から家畜を守るため、最近では男女ともに伝統的な槍の代わりに銃を持ち歩いている。そんなスルマ族の中で最高の祭りが、ドンガスティックファイトだ。これは雨季の終わりに行われる祭りで、男女ともにボディーペイントに身を包み、男はドンガと呼ばれる杖で戦う。頭を殴られ、流血しても戦いつづける気迫には、神がかったものを感じる。戦いの勝者はドンガ杖に乗せられて女の場所に連れられた後、女により選ばれる。独特の文化が残るオモ川下流域は、世界遺産に指定されている。
