現在、地球上にはニシローランドゴリラ、ヒガシローランドゴリラ、マウンテンゴリラの3種のゴリラが生存している。この中で最も絶滅の危機に瀕しており、密猟によってさらに数が減ってきていると考えられているのがマウンテンゴリラで、ウガンダのブウィンディ国立公園、コンゴ民主共和国・ルワンダ・ウガンダ3国の国境にあるヴィルンガ国立公園にそれぞれ300頭生き残っているにすぎない絶滅危惧種。ゴリラは長い間、凶暴性のシンボルとみなされてきた。しかしここ数十年の生態研究により、ゴリラは人間の遠い祖先と深い関わりを持つ、私達の優しい同類であることが明らかになってきた。

ゴリラは人間の共感を呼ぶ力があるといわれ、知的で穏やかな、傷つきやすいまなざしを見れば、誰もが心を動かされるという。数少ないマウンテンゴリラが暮らすルワンダでは、ツチ族とフツ族との民族対立が遺恨深く残っており、 1994年には少なくとも50万人が犠牲になったといわれる大量虐殺が発生した。この民族対立によりゴリラの手厚い保護で知られたこの緑豊な国立公園は荒廃し、現在密猟者が横行している。人間の戦争により大きな影響を受けてきた他の野生動物同様、この国のマウンテンゴリラの数は激減している。果たして人類は、世界でもっとも希少な霊長類といわれるマウンテンゴリラを守ることはできるのだろうか。
