太古の火山活動により国中に大きな花崗岩が散らばるジンバブエでは、グレート・ジンバブエ遺跡に見られるような石を利用した文化が花開いた。芸術的センスを持つ多数民族ショナ族は、身近な石を削り、自分の内面を表現するという彫刻活動を続けていた。国中で作られていたこの彫刻を1957年に国立美術館の館員が組織し、国内外に広める活動を始めた。これが現在、優れた近代美術として世界的に評価されているショナ彫刻の始まりである。

ショナ彫刻は石の持つ自然な風合いを活かすために塗色はせず、石を削っただけのシンプルな彫刻である。その丸みを帯びた作品は芸術家達によって個性豊かに作られており、家族や友人との愛情、近くに住む動物などを見事に表現している。ある有名な芸術家は、「石には霊が宿っている。私は石の余分な部分を削り取っているだけである。」とコメントしている。これが世界の美術界を震撼させたショナ彫刻の本当の姿なのであろう。
