ザンベジ川上流、バロツェ平原に伝統的な生活を営むロジ族が住んでいる。 50万人のロジ族にとってこの地域はリトゥンガと呼ばれる最高首長の国であり、付近の土地や生き物等、全ては彼のものであるとされている。首長への忠誠心の強さから、政府の統制もこの地域には及ばない。今なお古来の伝統を受け継ぐ部族がロジ族だ。バロツェ平原をとおるザンベジ川は、雨期になると氾濫する。

そのため王とその一族は、低地の「レアルイ」と高台「リムルンガ」に宮殿を持ち、定期的に移動を続けてきた。この移動の際に、大規模な祭りが開かれる。「クオンボーカセレモニー」と呼ばれるこの祭りは、伝統行事の多いザンビアでも最も有名な祭りの1つであり、多くの観光客の他ザンビア政府の役人達も訪れる。 100人以上の民族衣装を着た男たちが、ドラムの音と共に船を漕ぐ。ひときわ目立つものが、王族の象徴であるゾウの模型を乗せたリトゥンガの船、「ナリクワンダ」だ。

その周りに何十艘もの小船が進む。白と黒とに塗られ美しく飾られたナリクワンダの漕ぎ手になることは、ロジ族の間ではとても名誉なこととされている。ただしこの大規模な伝統行事の撮影の際は、充分なリサーチが必要だ。祭りはある程度水量の多い年にしか開かれない。雨が多くても船の修理が間に合わずに中止されたり、リトゥンガの病気のためにキャンセルとなることもある。開催日も非常に流動的であり、秘密主義のロジ王族にも注意したい。
