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世界最大の運河・ジョン・グレイ運河計画
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ウガンダを抜け、スーダンに入ると、ナイル川の様子は一変する。パピルスによって形成される大小の小島により水流が阻まれ、
川は無限に広がって巨大な沼沢となる。これがナイル川最大の難所と呼ばれる「サッド(アラビア語で障害・閉鎖)」である。
パピルスの島は時に数百メートルにもなり、雨期にはサッドは日本全土の面積にまで広がる。
マラリアなどの風土病が蔓延するサッドでは多くの探検家達が移動する巨大島のために方向を失い死んでいき、
現在も航路が遮断されることがある。ナイル川はサッドで足止めをくっている間、水量の半分以上を蒸発して失っているという。
20世紀初頭、この地に運河を作って川の流れを速くし、蒸発する水分を確保しようという計画があがった。
運河を作ることにより沼は干上がり、広大な農地や牧草地が出現し、湿原にはびこるマラリアなどの風土病も駆逐できる。
また運河の横にはスーダン南部の動脈ともなる道路も作られる。この計画は「ジョン・グレイ運河計画」と名付けられ、1978年に動き出した。
時9,000tもの土を掘り出す巨大な採掘機が導入され、幅60m、深さ6m、全長350kmの世界最大の規模を持つ運河を掘り始めた。
しかしスーダン南部でのゲリラ活動が活発化してスーダンの南北内戦へと繋がり、全体の3分の2を掘り終えたところで工事は中止に追い込まれた。
そして現在も工事再開の見込みはついていない。過去の奴隷貿易をはじめとしたスーダンが抱える問題のため、
貧しい国の経済状況を変えることはできなかった。しかし独自の生態系を持ち、近代文明を拒みつづけてきたサッドが消失しなかったことは、
環境保護者から見れば喜ばしいことであり、アフリカ文化保護の観点から見ても悪いことではなかったのかもしれない。
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